ホラーゲーム。

友人はP氏の勧めで、「Shadow Corridor」「Doki Doki Literature Club!」 の2本をやりました。

P氏はプレイ動画視聴勢で、自分がやる気はない。代わりに俺の怖がってる様が見たいとのことで。(もったいないと思うんだが。)

私はグロ・スプラッタは平気なんですがホラーは苦手で、大変ビクつきながらやりました。

(どう見ても作り物なスプラッタホラー映画なんかは全然平気でむしろ好きです。)

結論から言ってどちらもドップリ楽しめました。完全クリアはしていないのですが、もうShadow Corridorの方はやることやったかなと思うので感想を書いておこうと。DDLCは未解明な部分が残っているので後日かな。

ここからネタバレありでShadow Corridorの取り留めない感想垂れ流しです。


Shadow Corridorは怖い敵から逃げ隠れするゲームです。

その、鬼ごっこ系ゲームって作りやすいからか乱発されてますでしょ。動く自機と敵機さえあれば成立する。

古くは・・・と言ってもゲーム史なんか知らんので、経験した中で一番古いので、マッピーとかロードランナー?

あれはホラーではありませんけど、見た目をホラーテイストにすれば今あるもの(2Dツクールでも3Dゲームエンジンでも)と同じですよね。(少々強引)(プレイしたロードランナーはレジェンドリターンズ。あれぶっちゃけ怖かったです。)

ですから、変わってもガワくらいだろうという印象でそんなにそそられなかったのです。(同様にFPSもひとつやればいいかなーみたいな・・・)

裏返せば見た目が大事ということなんですが、その点、本作は雰囲気が実に良かった。和風の回廊。ありそうでない。

先の見えない闇の廊下を、手元の灯りを頼りに進む。それだけで怖いでしょう。田舎の家の、長く暗いトイレまでの廊下が怖かった頃を思い出します。日本人にとっては普遍的な原体験ではないですか?(海外の方がどう感じるか気になるところ。)

道中に設置されている燭台で灯りを確保できるのですが、このロウソクの火は、敵が近づくに連れて明滅し、最接近すると光を失ってしまう、という怪現象を見せます。光源であり、警報でもある。この作りは上手いと思いました。

ロウソクの火は常にゆらめいていて、灯りは微小な瞬きを見せます。それは果たして敵の接近なのか、なんでもない揺らめきなのか、疑心暗鬼を生じさせ、闇の中で拠り所であるはずの火の灯りが、余計に心細くさせる。見えない恐怖を見せるこの雰囲気に一気に飲まれてしまう。

その敵ですが、一様に能面を被った、人型であったり奇怪な体躯であったりするものたちが、プレイヤーを見るなり無表情で追いかけて来る。そのインパクト。闇に浮かぶ能面の怖さ。斬新な造形です。顔も表情も見えないことで、正体の付かない恐ろしさがある。

という訳で、ゲームの雰囲気はばっちり。

ここからはゲームの内容について、俺はこう感じたよということをとりとめもなく。未プレイの方にはよくわからんかも。

先ず、全体としてこのゲームが好きで、不満点の方が少ないのでそこから。

ゲーム冒頭、敵(~の徘徊者、と名がつく。)との最初の邂逅です。

~いきなり敵がやってきて、触られたら殺されました。ああ、逃げなきゃいけないんだ、身構えてコンティニュー。

あれは少し唐突で、不親切かな。ゲームの世界に導かれて、不穏な雰囲気にどっぷり飲まれて、この先何が起こるのか。できればその没入した緊張感のまま流れに乗りたいところです。雰囲気が最高のときに、ゲームの仕様を死んで解ってね。で水を差されたくはないので。例えば、ぼんやりとロウソクが照らす遠くの突き当りで、逃げる影と、追う鈴の徘徊者を見せる。それで、ロウソクのレーダー的役割、敵が鈴の音を鳴らすこと、逃げなきゃいけないことがわかる。もっといい例えがあるかもしれない・・・要は遭遇する前に敵のだいたいの姿を見せろということで、デッドスペースの冒頭と言えばわかりやすいか?

それと、畳の上での足音が妙に大きいこと。何度ビビって振り返ったことか。また、敵の足音が地形に関わらず常に同じであり、音で上下階層の区別もつかないこと。水場では水音、上階にいるなら床の軋む音、などがあればよかったと思う。まあ、それはリアルにはなるが難易度が下がるし、技術面との兼ね合いもあるのだろう。面白さを損なうほどの問題ではない。

あとは、しゃがんで通るべきなのか分かりづらい微妙な天井の高さとか、僅かな段差を登れないこと。後者はデザインと考えられるが、前者には、緊張した逃走場面で、なんだか地形に引っ掛かって進めなくなって屈む必要があるのが分かる、というのはイライラポイントでした。死亡したけど、コレは俺のミスなのか?という。そこがスムーズなら余計なストレスがなくてよかっただろうと思う。

さて、不満はこんなところです。チュートリアルでの敵との邂逅について不親切と書きましたが、チュートリアルから第一ステージ、「ヒグラシの回廊」へのゲーム的繋がりはよく出来ている。チュートリアルでの、「走って逃げろ」というアナウンスに加えて、敵が最後までプレイヤーを追跡してくる特別仕様で、あれで完全に敵の性質をミスリードしてくるじゃないですか、上手いなと思って。

こちらがどこに居ようと、どこまでも追って来る。この辺りに私が居ることに、向こうは気づいている。実際よりも敵を厄介に見せるその誤解が、ヒグラシの初見プレイでは猛烈な緊張感を生みます。早くここから動かないと・・・けど次の辻まで来ていたら?部屋を出てどちらへ行けばいい?敵は何体だ?囲まれているのか?怖くて一歩も踏み出せなくなってしまう。見つかったら必死に走って逃げる。敵は音を感知しますから、それで却って追い詰められるのです。

その誤解を解くのが第二ステージ、「骸流しの渓谷」。小区画ごとに3種の敵、「神楽鈴」、「走り廻る」、「泣き声の主」と1体1で付き合わされて、やっとその性質を知ります。それぞれの視覚と聴覚、そもそもこちらの位置のヤマ勘で知ってるわけじゃないし、スルーも可能。この骸流しが真のチュートリアルだと思います。

ここでゲームに慣れたからと言って、次のステージも飽きさせない。第三ステージ、「深淵」。新たな敵、「忍び寄る」のお披露目です。こいつの足音を立てない特性に加えて、このステージには燭台がないためロウソクレーダーも使用不可。忍び寄られるまで気づけない。更に、通常は位置固定型の敵であるはずの「泣き主」が徘徊しているではないか。彼女は非常に耳が良く、歩く音にさえ反応してぶっ飛んで来る。これでまたもや、おっかなびっくり動くしかない不安を味わうことになる。そして、ゴールすると始まる熱い少年漫画展開。ジェットコースターですね。

次、ボスステージ「大食らい」。私はこのステージ大好きです。音楽がかっこいいし、防御手段の通用しないタフな敵との、ギリギリのスタミナ管理(足止めを一個見落としていたことにクリア後に気づいたのだが)での追いかけっこ。怖いながらも面白いこのゲームですが、このステージは「楽しい」。道が明るくてやることが明確だからでしょうか。同じことばかりをやらせない、このゲームの緩急の付け方が好きです。

第五ステージでは回廊に戻りまして、「霊魂の淵叢」。この血みどろ空間、やりたくなくて仕方なかったです。怖えもん。ガタガタしながらやったんですけど。どこ向いても血みどろで、しかも初めての階層構造で。自分がどこに居るのか迷いながら・・・五時間は掛かったかな?実のところ、最も構造がわかりやすいのがこのステージで。ランダム生成されるパーツの一単位が階層丸ごとなので非常にでかく、例えば学校や病院の各館の接続が入れ替わるようなもの。覚えてしまえば、区画に踏み入れた途端に勾玉までのルートがわかる。ギミックも満載で、周回が面白いのはこのステージ。また、ここでの新たな敵、「警鐘」はいきなり現れる(ように見える)ので驚かされましたが・・・。どこで出現させるか、直前の主導権はこちらにあることに気づけば対応はたやすくなる。戸の前で接触して、閉めてしまえば向こうに引き返してしまう。いざというときは触っちまってすぐにその辺でしゃがんでればやり過ごせる。柱一本でも視線を遮れれば可。逃げることになっても焦る必要はない。なにしろ脚が遅く、こちらの後ずさりにも追いつけない程だ。慣れてくると、むしろどうあしらうかが面白くなりますよね、コイツ。それでも、警鐘君の追跡能力の詳細が未だにわからなくて、カメラで防御してから音を立てずに離れ、視界からもとっくに失せているのに、マジでどこまでも追って来るから、籠でやり過ごすしかないってことあります(よね?)。あれはなんなんだろうか。

ひとつ、危ないのが、警鐘君のプレイヤー発見時のカンカン鳴らしで、泣き声の主の怒りが目覚めどこに居ようとこちらへぶっ飛んで来ること。まさにミサイル。いや警鐘君を襲えよ・・・。あの子の「ズダダダッ」ってダッシュ音、走り始めに鳴ったきり消えるので、警鐘を撒いたと思って一息付いていると無音で視界に飛び込んできたり(これはまだいい方)、扉がドンドン鳴ったり(これはラッキー)、気づかぬ内に背後を走って来て闇討ちされたりする(これは当然死ぬ)。いやー、淵叢面白いなー。

覚えやすくても、とにかく広いステージなので、30分クリアは裏口しかないかなーと思ってたら、正攻法で29分ギリギリでいけました。憎悪さん絡みのギリギリ感はたまらんね。修羅モードの深淵と淵叢、どちらもギリッギリで一発クリアできたんですよ。深淵では出ると知らなかったから、最後の勾玉を残したままゴールへ向かって、土壇場で5つ目と水晶を発見。あんなポン置きしてあるものだったか?救済措置でしょうか?淵叢の修羅では逃走中に彷徨う魂が続々とぶつかってきやがるので、体力僅か、最後のカメラで緑顔面を除霊して、もうダメかと思いました。ほんと、切羽詰まったかと思われたときに見えるゴールの光ほど美しいものってないですね。

ラスボスの話は置いといて、「聖域」よりも先に「外縁」をプレイしたのです。「千里眼」との初遭遇でした。こちらの位置を透視して追って来るという、初見で勘違いしていた通りの徘徊者の性能以上の難敵ですね。あれ、何時間かかったんだっけ。クリアタイムは2時間なのですが、一日かかったような。こんな敵どーしよーもないじゃん。という気がしましたが、会わないときは会わないんですよね、千里眼。それは聖域も修羅ヒグラシも同じで、理不尽なくらいどこに居ても追われるんだけど、クリア出来るときは一度も遭遇しないという。運ですね。これは少々、おおあじなんじゃないか・・・。私には奴に追われながらのゴールは無理な気がします。千里眼が恐怖すぎて再走する気が起きません。因みに外縁の修羅は28分でした。区画の繋がりもまた、運。

それで聖域を後からやりまして、これも私レベルだと苦行気味でして。30分クリアに手が出せずにいます。もー千里眼の相手はイヤっ!

ラスボスはまあイベントみたいなものなのですが、裏ボス。あれでこのゲームが一度嫌いになった。こちらから手が出せるFPS形式ならむしろ楽なんじゃないかと、舐めてました。火柱が!見えないよ眩しすぎて!!仮に3人称視点だったならそんなに苦労しないと思うのですが、FPSで、アクションゲームのボスが使うようなフィールドを走る範囲攻撃をされると、もう何が何だか見えなくて。手間取ったなぁ・・・。その分、エンディングの美しさに報われました。

その後は除霊ビームを獲得して、バカプレイに興じました。まだ落書きを集め終えていないのと、勾玉チャレンジを出来てない。ヒグラシでさえゴールドに一つ届かない。俺には出来ないかも。

ただ、チャレンジで時間に追われて走り回ると分かるのですが、案外、走っていると敵に遭う方が難しいのですよね。どれだけ疑心暗鬼だったのかと。コケシを探して隅から隅まで見ようとすると、回廊ステージはめちゃくちゃに広い。そこをたかだか4,5人が行ったり来たりしてるだけなら、そりゃあ出会わないわ。ドタドタ走り君が数を多く見せているのでしょうね。ビームで殲滅プレイをすると、残り2体ほどになっては、それが音を発している神楽鈴であってもなかなか発見することが出来ません。ドタドタ君がどのステージにも居る理由がわかりますね。バランスがよく考えられている。

振り返るに、秀逸にしてこのゲームを特徴づけている要素が、再びの言及になりますが「灯り」だなと。

暗がりを火を灯して歩く肝試し要素。怖い敵が来たから画面を暗くしますよというホラー演出。そんなお約束が、雰囲気作りのエッセンスとなりながらも、プレイヤーが戦略的に利用できるシステムにもなっている。画面が自然で、無駄がありません。敵が燭台の灯りには反応できない、というのは少々強引ではありますが。

また、爆竹によって敵を誘導し引き離したり、開かずの部屋に投げ入れて開錠させたり、というのも慣れてくるとスマートに使い分けができるようになり、上達を感じられて面白い。下手をすれば多方から引き寄せられた敵に圧殺されてしまうことになる。

やることは単純だけど状況は多用、これはいいゲームの作りだと思います。逆に、やることは多いけど状況は単調、というのは飽きますよね。シンプルで面白いゲームが好きです。

おまけのネタも備えてますし。ハイスコアは70500です。

・・・シナリオに全く触れていませんけど、このゲームはアクション部分が骨だと思いますので。癖のない王道展開です。ぶっちゃけ、私は萌え声聴いて咽び鳴く豚なので、ヒバナちゃんかわいいよおとばばかり言ってました・・・。(泣き声ちゃんも若干の癒し要素ですよね。最初は味方の精霊かと思ってこちらから接触しました。当然SUDDEN DEATH!)


なんて書いてる間に・・・DDLCの鍵が開いた。ノーヒントなゲームなんてありえねえよなぁと思いながらドン詰まり・・・ひとつ当てずっぽうで開けてしまったので、もしかしてマジで総当たりなのかと思いましたが、英語にして邦訳との違いを見て遊んでいたら、日本語でMISSINGデータの部分が英語だと見れるじゃないかあ!不備ですね。

英語が読める人は、英語でやりましょうね。

因みに、他の言語でもtracebackとsaycheeseがMISSINGなのは同様だが、ポエムポイントが見られないのはおそらく日本語のみの模様。内容に関わる部分はチェックしてくれよな・・・。

あと、ナツキの詩の押韻は英語じゃなきゃわからん。

詩は原語で読むものではありますが、ユリの詩は内容の複雑さに達筆も相まって、英語だとわけがわかりません。

乏しい英語力でもナツキの詩は理解しやすく、サヨリとモニカにもついていけるが、ユリのはキツい。

ただ、車輪の詩は意訳されて欠けている情報があるので、英語のを見てみるとよいのでは?

さて、projectの情報を掘るか・・・。