NT

夢酔を拝見してから気になっていたことなのですが。
御津羽先生、ナラティブのセリフにたびたび突っ込まれている気がしますけど、ご指摘の部分(着弾、今!と言いながら撃つのはおかしい、というところ。)は言ってません

セリフを書き出してみましょうか・・・。

「苗頭修正・・・次弾着弾、12000。調定・・・よし。射撃・・・今!」

――言ってないんです

とは言え、違和感は私も感じます。

逐一用語を出さんでも、「ここだ・・・よし!」とか、「そこだ!」とかで十分な気がします。慣れていない・マニュアル通りな感じを出したかったのかもしれませんが、もっと呟くようにさせるとか。そんな演出はともかく、用語で突っ込むべきところは、「苗頭修正」の方ではないかと。

苗頭って、砲術用語じゃないか?砲を指向する際の修正角だと思う(多分)。それを機体側面を向いた発射器から、ミサイルをカーブさせて撃つのに言うだろうかと。ビーム砲ならよかったのに。いや、詳しくは知りませんが。護衛艦でもミサイル撃つのに使うんですか?苗頭。

宇宙世紀では、射撃に関わる数字をいじるときには使うのかもしれません。

私は、絵の方が気になる性質なので、ここよりも、コロニー落としのシーンが引っかかります。

固定カメラのように、コロニーの中腹から頭を見てぴったり追従する映像。コロニー程の巨大構造物が地球へ落ちてゆく、という状況のスケール感がいまひとつないし、コロニーの主観のようで違和感。

その次に爆心地から見上げる、落ちて来るコロニー。いきなり視点が反対側に変わるのはどうだろう。ビルと比べてコロニーが小さすぎる気もする。やっぱり、スケール感をいまいち感じない。

そして、お決まり(?)の、辻に詰まった人と車の群れが、向こうから押し寄せる爆炎でぶっ飛ぶ。う~ん、遠望する都市へ、画面上方からドシーと降ってくるコロニー、つまりオリジナルの絵を踏襲すればいいんじゃないかと思っちゃった。こういう手堅く説明的な(言ってしまえば陳腐な)絵よりは。

市街規模の破壊じゃないんですから。未曾有の大破壊なのです。人が大勢死んだってことを、「人が大勢死ぬ絵」で見せようとは、ひねりがないし、しつこいけれどスケール感がないのです。あれでコロニー落下の衝撃を描き切れているのか?具体的な描写が受け手の想像力を下回ると、退屈な印象になってしまう。曖昧さは奥行きにもなるのです。

何か新しい演出を加えたかったのかもしれませんが・・・続いてビルがぶっ飛ぶところまで、まんまインデペンデンス・デイなんですよね・・・。狙ってやっているのならリスペクト先を違えているような・・・。

印象に残ったところと言えば、冒頭のディジェのアクションは気合入ってました。けど、平然と空を飛ばせたら、相手の(飛行型の)アンクシャの立場がどうかなって感じです。

また、敵役のあの手のエキセントリックキャラは、個人的にはナイな・・・。

UCの紫の人でお腹いっぱいなのに、それに輪をかけてキャラ付けがクドいんだもの。肝心な所でノリが軽いっていう狂気演出は、ちと簡単すぎなんじゃないかな。